|刊行情報| 韓国における社会政策のあり方Ⅱ 韓国における少子化、格差、葛藤の現状  金明中/著

経済の低成長、少子高齢化、人口減少と労働力不足、財政赤字の拡大など韓国社会の諸問題を専門家の立場から詳述。日本社会に通じる改革への道筋を探る。

「本書は、2021年に出版された拙著『韓国における社会政策のあり方―雇用・社会保障の現状とこれからの課題』(旬報社)の続編に位置づけられる。

本文では、政治的不安定が高く、低成長・高齢化時代に直面している韓国における少子化、労働政策、世代間の格差と対立、働き型の多様化と分配政策、若者世代の男女間の対立、韓国政府の新型コロナウイルス対策、外国人受け入れ対策等についてデータに基づいて現状や課題を説明している。また、韓国の社会政策に大きな影響を与えている日本の制度と比較するために一部の制度に関しては日韓比較を行った。」(まえがきより)

<目次>

第1章 韓国は消滅してしまうだろうか
1. 韓国における少子化の現状
2. 韓国の出生率が低い理由は?
3. 保守・進歩政権ともに少子化対策を実施
4. 主な保育関連支援政策
5. 日本における少子化の現状と最近の対策、今後の課題

第2章 最近、日韓における労働政策の争点
1.韓国政府、「週52時間勤務制」の見直しを含めた「労働改革」を推進
2.日韓の平均賃金、最低賃金、大卒初任給の比較
3.なぜ日本の賃金は上がらなかっただろうか?
4.韓国では65歳、日本では70歳、定年延長に対する議論が本格化
5.なぜ韓国の失業率は低いだろうか

第3章 韓国における世代間の格差と対立
1.はじめに
2.世代間葛藤の背景は経済的要因
3.世代間の意識の違いが明確
4.社会保障制度と世代格差
5.世代内の不公正による格差が若者を鬱憤の状態に

第4章 韓国における働き方の多様化と分配対策
1.多様化する働き方
2.「非正規職保護法」の施行により処遇水準は改善?
3.韓国社会における貧困と所得格差
4.韓国政府の分配対策

第5章 韓国における若者世代の男女間の対立
1.労働市場に残存する男女差別
2.男女平等のための対策:積極的雇用改善措置制度
3.「女性徴兵論」の台頭と徴兵制度の現状

第6章 韓国は新型コロナウイルスにどのように対応しただろうか?
1.新型コロナウイルス「第1派」の原因は新興宗教「新天地イエス教会」
2.韓国政府の新型コロナウイルス感染症対策
3.韓国政府の新型コロナウイルスの感染拡大以降の景気対策
4.「韓国版ニューディール総合計画(K・New Deal)」を発表
5.所得税の最高税率を45%に引き上げ
6.「国民皆雇用保険」の実現は?
7.ベーシックインカムなどの所得支援策の導入に対する議論が活発

第7章 韓国経済は今後どうなるだろうか?
1.一人当たりGDPが増えても普通の韓国人が豊かになれない理由
2.韓国の破産も招きかねない家計債務の実態
3.なぜ韓国の若者は仮想通貨に熱狂するのか?
4.なぜ韓国では不動産価格が暴落しているだろうか?
5.尹政権の今後のエネルギー政策は? ―原発の比重を拡大し、化学燃料の輸入依存度を縮小

第8章 日韓における外国人労働者受け入れ対策について
1.日本における外国人や外国人労働者の現状
2.韓国における外国人労働者の受け入れ対策
3.韓国における外国人受け入れ対策の課題と日本に与えるインプリケーション

付録1:韓国における生命保険市場の動向
付録2:ホワイト企業とワーク・エンゲージメント―ホワイト企業において重要度が高まるワーク・エンゲージメント―
付録3:人的資本経営と健康経営


著者紹介

金 明中(キム・ミョンジュン) ニッセイ基礎研究所上席研究員

1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員、日本女子大学、横浜市立大学、日本大学、慶應義塾大学非常勤講師、亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。株式会社MINOSYS顧問。東洋経済日報、時事通信社『厚生福祉』、『金融財政ビジネス』、韓国の明日(ネ・イル)新聞のコラム等を執筆中。専門分野は労働経済学、社会保障論、日韓社会政策比較分析。最近の著書は『韓国における社会政策のあり方――雇用・社会保障の現状とこれからの課題』旬報社2021年。


2024年4月12日刊
韓国における社会政策のあり方Ⅱ 韓国における少子化、格差、葛藤の現状
金明中(キム・ミョンジュン)/著
定価=本体2500円+税 ISBN978-4-7845-2804-2 A5判並製276頁


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