|刊行情報| 決定版 明治学院大学事件 授業盗聴と教科書検閲  寄川条路/編

日本の大学界の病弊を象徴する大事件

本書は、大学当局が教授に無断で授業を録音し、無断録音を告発した教授を解雇した「明治学院大学事件」の資料集である。「日本の大学界の病弊を象徴する大事件」とも呼ばれ、学問の自由、教育の自由、表現の自由の根幹を揺るがした裁判の記録である。


目次

第一部 「明治学院大学事件」とは何か
第一章 盗聴事件の概要と経緯
第二章 盗聴事件の詳細と影響
第三章 事件に関与していた三人の学長
第四章 事件についてのよくある質問Q&A

第二部 大学による授業盗聴
第一章 授業の盗聴と教科書の検閲―教授側の主張
第二章 組織を守るための秘密録音―大学側の主張
第三章 無断録音を謝罪して和解へ―裁判所の判断

第三部 大学による教科書検閲
第一章 教科書が不適切なので解雇する―大学側の主張
第二章 教科書検閲は自由の侵害である―教授側の主張
第三章 教科書も授業も不適切ではない―裁判所の判断

第四部 明治学院大学事件の裁判資料
第一章 裁判記録―労働審判、東京地裁、東京高裁、判決解説
第二章 繰り返される解雇―教員解雇、職員解雇、非常勤講師解雇
第三章 裁判を経験して―紛争終結ではなく真相究明を

第五部 専門家の意見書
第一章 学問の自由、大学の自治、信教の自由
第二章 私立大学における教育の自由
第三章 懲戒における適正手続の観点から見た解雇の有効性
第四章 労働者の職場におけるプライバシーの権利
第五章 〈学問の自由〉と大学の〈大学〉としての存在理由

第六部 哲学者の論説
第一章 大学教授とは何か?
第二章 大学人の理性の「公的使用」
第三章 生態系の問題と集団思考の問題として
第四章 「学問の自由」は成り立つか?
第五章 「表現の自由」「学問の自由」がいま侵される

第七部 メディアの報道
第一章 「学問の自由」の侵害―新聞報道から
第二章 明治学院大学の「犯罪」―論説記事から
第三章 大学の危機と人権侵害―学術書籍から


 編 者 
寄川条路 早稲田大学文学部卒業、ボーフム大学大学院修了、哲学博士。愛知大学教授、明治学院大学教授などを歴任。専門は思想文化論。

 著 者 
小林 節[第五部第一章]慶應義塾大学名誉教授・弁護士。専門は憲法学。

丹羽 徹[第五部第二章]龍谷大学法学部教授。専門は憲法学・教育法。

志田陽子[第五部第三章]武蔵野美術大学造形学部教授。専門は憲法学・言論法。

山田省三[第五部第四章]中央大学名誉教授・弁護士。専門は労働法。

幸津國生[第五部第五章]日本女子大学名誉教授。専門は倫理学。

小川仁志[第六部第一章]山口大学国際総合科学部教授。専門は公共哲学。

福吉勝男[第六第二章]名古屋市立大学名誉教授。専門は哲学・倫理学。

宇波 彰[第六部第三章]明治学院大学名誉教授。専門は現代哲学。

末木文美士[第六部第四章]東京大学名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授。専門は日本思想史。

島崎 隆[第六部第五章]一橋大学名誉教授。専門は哲学。


2024年7月19日刊行予定
決定版 明治学院大学事件
授業盗聴と教科書検閲
寄川条路/編
小林節・丹羽徹・志田陽子・山田省三・幸津國生・小川仁志・福吉勝男・宇波彰・末木文美士・島崎隆/著
定価=本体2800円+税 ISBN978-4-7845-2425-9 A5判上製404頁

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