私たちは今、多様性を認め合い尊重しようとする社会に生きている。その流れを押し戻し分断と対立をもたらそうとするヘイト。近年それが激しさを増し、手口も巧妙・多岐にわたる。
この時に、川崎市で「差別のない人権尊重のまちづくり条例」が制定され、2020 年7 月1 日に施行された。こののち、ヘイトスピーチは犯罪となり刑事罰が適用されることになった。
被害当事者は「川崎の宝」「日本の宝」と条例に希望を託す。画期的と言えるその条例は、いかにして実現したのか?
さまざまな形で行われるヘイトの実態と、それを行う者の心理・対処法についての講演報告をあわせて掲載。
第Ⅰ講 川崎市、差別根絶条例を生み出した市民力
石橋学(神奈川新聞記者)
ヘイトに対する刑事罰適用条例が施行/なぜ川崎市で実現できたか
被害当事者の訴えと体を張る市民の行動/動き出した刑事罰適用条例
施行後も続くヘイトとのたたかい/朝鮮学校差別は「公」によるヘイトスピーチ
第Ⅱ講 韓国ヘイトの心理と対処法
香山リカ(精神科医)
なぜ関心を持ち声を上げるか/こうした事態はなぜ起きる?
ネットが持つ危険な特性/やっぱりゼロ・トレランス
忘れてはならない、この瞬間にも生まれる被害者
資料
● 川崎市差別のない人権尊重まちづくり条例
● ヘイトスピーチ解消法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)
編集・発行人 KJプロジェクト代表 裵哲恩
定価=本体900円+税 ISBN978-4-7845-1147-1 A5判並製104頁
2020年11月10日刊
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