|刊行情報| 現代適正技術論序説 近代科学技術に代わる技術体系をめぐって 田中直/著

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“決定的な破綻にいたることなく近代をいかに超えるのか”

今求められているのは、中世から近代への転換に匹敵するような、近代から次の新しい文明への根本的な転換である。かつての近代科学技術批判や、適正技術の運動・思想に重要な手がかりを求めつつ、来るべき時代の技術のあり方を包括的フレームワークとして提起し、未来社会の全体像をも展望する。


 目 次

第1章 近代科学技術批判の射程
1 歴史の転換点と近代科学技術批判
2 近代科学技術批判と代替案の展開
3 近代産業社会の問題群

第2章 適正技術をめぐって
1 適正技術の二つの流れ
2 適正技術運動の停滞とその要因
3 歴史の捻転と本来の軌道への回帰

第3章 貧困と格差の問題と適正な技術選択
1 貧困とは何か
2 貧困と格差をもたらすもの
3 貧困と格差の問題を解決・緩和するための技術のあり方

第4章 環境と資源の問題と適正な技術選択
1 環境・資源の問題と、それをもたらしているもの
2 環境と資源の問題を解決・緩和するための技術のあり方

第5章 人間・労働疎外の問題と適正な技術選択
1 人間・労働疎外とそれをもたらす要因
2 人間・労働疎外をもたらさない技術のあり方
3 今日の世界の問題をもたらしている構造

第6章 持続可能な開発のための適正な技術選択に関する包括的フレームワーク
1 今日の世界の持続不可能性と包括的フレームワークの必要性
2 持続可能な開発のための適正な技術選択
3 エピローグ

第7章 脱炭素社会構築のための適正な技術選択
1 化石燃料文明からの脱却
2 持続可能な形で供給できる資源の側から脱炭素社会を構想する
3 小規模分散型システムの重視
4 市民・住民参加による技術選択を
5 大工場のあり方
6 都市のあり方
7 不確実な技術に依存しない。不合理な技術選択を避ける。
8 開発途上国に対する責務
9 終わりに

第8章 アジア地域に適合的なコミュニティ排水処理システムの開発と普及
1 インドネシアの水質汚濁と衛生環境
2 現地に適した排水処理技術の開発と普及
3 包括的フレームワークによる技術選択の評価

補論  ユニバーサル・コープと望ましい未来社会に関するノート
1 資本主義の終焉と代替的経済システムをめぐって
2 ユニバーサル・コープ
3 望ましい未来社会の全体像に向けて


著者紹介

田中直 1976年、東京大学工学部卒業。石油会社にて、石油精製プロセス管理、排水処理の技術開発などに従事する一方、1987年より、国際協力NGO、APEX代表、1999年より専従。理学博士。現在、特定非営利活動法人APEX代表理事、適正技術フォーラム共同代表。著書に『適正技術と代替社会-インドネシアでの実践から』(岩波新書)、編著に『転換期の技術者たち-企業内からの提言』『第三世界の問題を考える』(以上、勁草書房)、『エネルギー問題-工業化社会における自然と労働』(社会評論社)、『暮らしと技術を変える』(亜紀書房)他。

2022年5月10日刊
現代適正技術論序説 —近代科学技術に代わる技術体系をめぐって—
(SQ選書21)
田中直/著
定価=本体1700円+税 ISBN978-4-7845-1756-5 四六判並製200頁


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投稿者: 社会評論社 サイト

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