|刊行情報| 脱成長のポスト資本主義  白川真澄/著  

資本主義の手直しか、それとも乗り超えか。

深刻化する気候危機や格差・貧困の根本的解決をめぐって、「分配重視による経済成長」論、グリーン成長論、MMTとの批判的討論を通してオルタナティブを鮮烈に提示する。


 

 目次 

 

序文 危機の時代と歴史の岐路

 

第Ⅰ部 オルタナティブは何か ─資本主義を超えて

第1章 脱成長のポスト資本主義へ─新しい社会構想と運動
第2章 気候危機と脱成長・ポスト資本主義
第3章 ポスト資本主義の構想─オルタナティブは何か

第Ⅱ部 資本主義の現在と行方

第1章 立往生するグローバル化─資本主義の行方
第2章 低成長の常態化、米中覇権争いの出現─リーマン・ショックから10年
第3章 コロナ・ショックとデジタル資本主義
第4章 「新しい資本主義」は新しいか
第5章 MMT(現代貨幣理論)は何を見落としているか


いま、私たちの前に横たわる課題は大きくて重い。ロシアによるウクライナ侵略が1 年を超えて続き、米中覇権争いがアジアでも軍事的緊張を高めている。それに伴って国家の権力が暴走する傾向が勢いを増し、人びとの自由な運動や言論が圧殺されつつある。また、経済ナショナリズムが台頭し、エネルギー危機に乗じて石炭火力や原発の利用を拡大する逆流も大きくなっている。戦争と戦争準備をやめさせ国家権力を制限する非軍事化と政治的民主主義や自治のためのたたかいを発展させること、また気候危機をストップする行動を強めることが緊急に求められている。グローバルな資本主義を地域から蚕食する脱成長のポスト資本主義への実践は、こうしたたたかいや行動と一つになって前進することを問われている。

あとがきより抜粋


著者 白川真澄(しらかわ ますみ)

1942年、京都市生まれ。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。60年安保闘争、ベトナム反戦闘争、三里塚闘争などの社会運動に関わりつづけ、新左翼の政治党派・共産主義労働者党の書記長としても活動。1990年代からは地域から政治を変える運動にも参加。フォーラム90s、ピープルズ・プラン研究所など在野の理論的ネットワークの活動に力を注いできた。2021年まで『季刊ピープルズ・プラン』編集長。また2017年まで河合塾小論文科(社会科学系)講師も務めた。現在、ピープルズ・プラン研究所運営チームメンバー、「座標塾」(研究所テオリア)講師。

著書:『コロナ・ショックは世界をどう変えたか』(2021年、研究所テオリア)、『左翼は再生できるか』(2016年、同上)、『脱成長を豊かに生きる』(2014年、社会評論社)、『金融危機が人びとを襲う』(2009年、樹花舎)、『格差社会を撃つ』(2008年、インパクト出版会)、『格差社会から公正と連帯へ』(2005年、工人社)、『脱国家の政治学』(1997年、社会評論社)、『もうひとつの革命』(1980年、同上)ほか。

共編著:『根本(もと)から変える』(2011年、樹花舎)、『アソシエーション革命へ』(2003年、社会評論社)、『20世紀の政治思想と社会運動』(1998年、同上)ほか。

2023年4月28日刊
脱成長のポスト資本主義
白川真澄/著
定価=本体2500円+税 ISBN978-4-7845-1898-2 A5判並製256頁

 

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