| 刊行情報 | 石塚正英/著 学問の使命と知の行動圏域 (社会評論社、2019年11月上旬刊)

「あれから50年、20歳当時に抱いた、学問の道を歩むべし、との使命を現在も抱き続けている。直近の状況を眼前にして、その使命は放棄できないのである。」(はしがきより)

研究者として体験した「20歳(はたち)の自己革命」から一貫して学問領域での発言・行動に重きを置き続けてきた論考から厳選した知の実践。国民と国家、国家と国際社会、学問と戦争を考える観念の底流に「人間の本質」という新たな問題を見出す。


収録論考


1ー 二〇歳の自己革命
2ー 学問論の構築へ向けて
3ー 学問するノンセクト・ラディカルズ
4ー 戦争と学問
5ー 新たな科学論の構築へ向けて
6ー 人間学的〔学問の自由〕を求めて
7ー フォースとヴァイオレンス
8ー 学問における自立空間を求めて
9ー 学問の道を歩む

四六判上製256頁 定価=本体2500円+税


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目次


はしがき

第一部 学問論の使命

第一章 二〇歳の自己革命 ─一九六九年前後─

第二章 学問論の構築へ向けて

一 学問について
二 思想について
三 労働について
四 社会科学批判

第三章 学問するノンセクト・ラディカルズ

一 ドラマの第一幕 ─一九六八年─
二 ドラマの第二幕 ─一九六九年─
三 ドラマの第三幕 ─一九七〇年─
四 ドラマの第四幕 ─一九九六年─
五 ドラマの第五幕 ─生活の場としての学問領域─

第四章 戦争と学問 ─満鉄時代における政治的葛藤と文化的葛藤の差異─

一 問題設定
二 大井正のインドネシア研究
三 布村一夫のシベリア研究
四 二〇世紀後期の大井と布村
五 学問における政治的葛藤と文化的葛藤の差異

第五章 新たな科学論の構築へ向けて ─フクシマ以後における─

一 問題の所在
二 システム的悪
三 システム的悪からの脱却
四 目に見えない悪
五 カタストロフィー
六 テクノ・セントリズムの終焉
七 有限性の自覚
八 今後の課題

第六章 人間学的〔学問の自由〕を求めて ─軍産官学連携への警鐘─

一 デュアルユースに要注意
二 科学者の倫理声明←→国の倫理違反
三 近代文明論的・科学技術文明的倫理
四 近代社会と学問の関係

第七章 フォースとヴァイオレンス ─〔支配の暴力〕と〔解放の抗力〕─

一 暴力と抗力
二 二種の強力 ─抑圧する暴力とそれを跳ね返す抗力
三 暴力=軍事が牛耳る戦争と平和
四 国家権力に対抗する社会的抵抗権

第二部 知の行動圏域

第八章 学問における自立空間を求めて ─一九七〇年前後─

一 立正大学熊谷キャンパス全共闘はどこへ行く?
二 学問論を原点として
三 学費闘争と学問領域
四 史闘委解体 ─全共闘運動の挫折
五 史闘委解体 ─姉妹編
六 「自治」とは ─自治会運動批判
七 脱サークル論 ─大学・国家・市民社会への〈脱〉
八 立正大学熊谷キャンパスにおけるサークル運動
九 戸隠論争の整理と深化 実証研究と価値観形成のねじれ
一〇 「社会科学とはなにか」についての研究会の宣伝
一一 対象認識と対象規定
一二 『創史』創刊の意図 ―四〇年後の回想

第九章 学問の道を歩む

一 老いと学問
二 時代の画期と学問
三 恩師村瀬興雄を追悼する
四 学問の道は地中海に通じていた
五 肥やしとしてのフレイザー『金枝篇』
六 読書ノートから論文が生まれた
七 社会活動から論文が生まれた
八 〝九・一一〟と学問の岐路
九 戦争を論じる協同研究
一〇 〝三・一一〟以降の時局と学問
一一 科学研究と学問論 ─講義シラバス
一二 歴史知と学問論 ─はしがき
一三 日本内外の平和を維持する力について

あとがき


著者紹介
石塚正英(いしづかまさひで)

1949年、新潟県上越市(旧高田市)に生まれる。当年とって古稀となる。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学、同研究科哲学専攻論文博士(文学) 1982年~、立正大学、専修大学、明治大学、中央大学、東京電機大学(専任)歴任 /担当講座(内容):歴史理論、比較民俗学、史的情報社会論、複合科学的身体論、技術者倫理。2008年~、NPO法人頸城野郷土資料室(新潟県知事認証)理事長 /事務所:上越市 大鋸町ますや /資料室:上越市御殿山町 アトリウム御殿山

主要著作(研究テーマ)
〔著作〕叛徒と革命―ブランキ・ヴァイトリンク・ノート、長崎出版、1975年
〔著作・学位論文〕フェティシズムの思想圏―ド=ブロス・フォイエルバッハ・マルクス、世界書院、1991年
〔著作集〕石塚正英著作選【社会思想史の窓】全6巻、社会評論社、2014-15年。
〔著作〕革命職人ヴァイトリング―コミューンからアソシエーションへ、社会評論社、2016年
〔著作〕地域文化の沃土 頸城野往還、社会評論社、2018年
〔著作〕マルクスの「フェティシズム・ノート」を読む―偉大なる、聖なる人間の発見、社会評論社、2018年
〔著作〕ヘーゲル左派という時代思潮、社会評論社、2019年
〔編著作〕アミルカル・カブラル―アフリカ革命のアウラ、柘植書房新社、2019年

投稿者: 社会評論社 サイト

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