|刊行情報| アジアと共に「もうひとつの日本」へ(永井浩/著)社会評論社刊

書評掲載
・東京新聞 2021年8月15日掲載 「米国に偏らぬ世界認識を」[評]古関彰一氏
・社会新報 2021年10月6日掲載 「「進歩」派への「もどかしさ」」[後藤実]

人類史的危機の時代における私たちの選択

「平和国家」日本の漂流、戦時体制への逆流。奥にひそむ明治以来の歪んだアジア認識・関係を抉り、市民的抵抗運動をねばり強く展開するアジアの民衆とともに「もうひとつの日本」への道をさぐる。 (四六判296頁本体2200円+税)


【目次】

プロローグ 「平和国家」漂流のなかで
第1章 支配する者が腐敗していく

『象を撃つ』の発見
徴用工、ロームシャ、慰安婦
東南アジア蔑視の構造
「人間」不在のアジア像

第2章 侵略戦争への新たな加担

「七〇年戦争」から対テロ戦争へ
他者が見えない「国際貢献」
「親日」アラブ世論を敵に

第3章 平成天皇「平和の旅」の空白

天皇外交の顕教と密教
平成は「戦争のない時代」だったか?
過去との対決を避ける日本のメディア

第4章 荒れ野を脱する

過去を直視するドイツの国民とメディア
韓国の「記憶の戦争」
「ごめんなさい、ベトナム」

第5章 アジアと共に「もうひとつの日本」をめざす

宮崎滔天の「世界革命」論
金子文子と朴烈の天皇制批判
「留学生の父」穂積五一

第6章 「平和国家」の再構築へ

アジアが見えない「進歩」の追求
平和にひそむ血の匂い
アジアが見たイラク戦争と日本
「九条」の世界との応答責任

第7章 「人間の目」で世界を見る

「国民と共に立たん」の欺まん
ベトナム戦争報道の先駆性
「国益」とグローバルな正義のあいだ
「正しい歴史認識が日本への尊敬に」


著者紹介

永井浩 ながい・ひろし ジャーナリスト。東京外国語大学ロシア語科卒業後、毎日新聞バンコク特派員、編集委員などをへて神田外語大学教授。現在、同大学名誉教授。著書『される側から見た「援助」─タイからの報告』(勁草書房)、『見えないアジアを報道する』(晶文社)、『アジアはどう報道されてきたか』(筑摩書房)、『戦争報道論─平和をめざすメディアリテラシー』(明石書店)など。編著『「アウンサンスーチー政権」のミャンマー』(明石書店)、共訳にアウンサンスーチー『ビルマからの手紙』(毎日新聞社)。

アジアと共に「もうひとつの日本」へ
永井 浩/著
定価=本体2200円+税 ISBN978-4-7845-1372-7 四六判296頁
2021年7月7日発売


*エピローグより抜粋

プロローグで記したミャンマーの民主化運動は、国軍による残虐な武力弾圧に屈することなく、非暴力に徹した市民の抵抗活動がねばり強くつづけられている。国際社会は民主化支援を明確にし、そのための行動を打ち出している。だが日本政府は、欧米諸国とは一線を画した「独自パイプ」による問題解決の努力という空念仏を唱えるだけで、平和と民主主義をもとめるミャンマー国民を支持する姿勢を打ち出せないままである。主要メディアも、そのような政府の姿勢を正させようとはしない。政治指導者と彼らの言動を監視する役割を担うジャーナリストが、ともに二一世紀の世界の潮流に無神経でありつづけるのは、なぜなのだろうか。

その疑問を解く手がかりとして、本書がすこしばかりお役に立てれば幸いである。それと同時に、この現状を変えて、私たちがアジアの隣人と共にグローバルな正義の実現をめざすには何が必要なのかをかんがえる一助にもなってくれることを願っている。すでにおなじ人間としての連帯のうごきは、ミャンマーと日本の人びととの間に少しずつ広がってきているので、それがさらに発展していくであろう。その小さな流れが、やがて同じような世界のさまざまな流れと合流し勢いを増し、「平和国家」日本を前進させる力となることを、私は期待している。

著者


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投稿者: 社会評論社 特設サイト 目録準備室

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