|刊行情報| 反理知時代のマインド・コントロール 佐々木健悦/著

「マインド・コントロール」を、時代を読むキーワードとし、「政治言語」でマインド・コントロールし合う「反理知時代」の日本人のメンタリティを再論する。

好評を博した『政治言語の研究―日本人の思考様式と言語生活』続編。


目次

第1講 マインド・コントロールの諸相と深度
(一)価値意識変容の度合い
(二)シベリア抑留中の民主化運動
(三)中国共産党の「思想改造」あるいは「洗脳」(変脳)

第2講 マインド・コントロールのロジックとレトリック
(一)マインド・コントロールのプロセス
(二)日本浪漫派のレトリックと京都学派のロジック
(三)ソクラテス裁判 ソクラテスの弁論術

第3講 政治言語のレトリックとロジック
(一)日本軍部ファシズム下の日常 国民精神総動員運動
(二)ナチスドイツのマインド・コントロール
(三)戦前回帰の政治的言論集団「日本会議」
(四)政権与党のマインド・コントロール
(五)機能不全の監視機関

第4講  教育現場のマインド・コントロール
(一)「教育基本法」改悪
(二) 国定化する教科書と教員
(三)「国旗国歌法」の欺瞞
(四)「教育勅語」復権の怪
(五)「自由主義史観」と新しい歴史教科書
(六)「道徳」教科化と道徳教科書

第5講 反理知社会のマインド・コントロール
(一)生活保守主義の蔓延
(二)アスリート社会化

第6講 知識人の価値意識変容
(一)民主主義社会の専門知と基礎能力
(二)政治参画した知識人
(三)「転向」と「非転向」の間 清水幾太郎の「価値意識変容」

第7講 マインド・コントロールに抗う理知主義
(一)議員の「統一教会」との「濃厚接触」は政治倫理の問題
(二)プラトンの対話形式 理知によるマインド・コントロール
(三)プラトンの政治哲学 理知主義の復権
(四)マキアヴェッリ『君主論』の理知主義
(五) コンドルセ「集合的理性」に拠る共和政体
(六)「知を結ぶ」政治指導者

第8講 反理知時代の地方選と自治体議会
(一)統一地方選総括 低迷する投票率
(二)衆院千葉5区補欠選挙 争点外しの選挙戦
(三)千葉県白井市議会選挙 その乱戦と意外
(四) 千葉県白井市議会議長選 女性市議票の行方
(五) 五月の白井市議会報告 市民からの「陳情」「請願」を不採択
(六) 六月の白井市議会報告 萎む市議会の行政監視機能
(七) 九月の白井市議会傍聴記 「一般質問」の本義
(八) 一〇月四日の「議員全員協議会」
(九) 少数派いじめの「質疑」と「討論」(一〇月一一日の本会議)


*著者プロフィール*
言語ジャーナリスト。専門はモンゴル近現代史と社会言語学。
1947年、宮城県志田郡三本木町(現・大崎市三本木)に生まれる。東京外国語大学モンゴル語学科を卒業、同大ロシア語学科に学士入学在籍、その後、千葉県下の高校で英語教員。2008年3月退職。同年四月からモンゴル国の大学で、約一年間、日本語教師を務めた。その後、ウランバートル市の『モンソダル』社でモンゴル語日本語辞典の編纂に携わった。2010年7月からモンゴル国営モンツァメ通信社に勤務し、日本語週刊紙『モンゴル通信』の編集翻訳と日本語監修に従事、2012年8月退職。著書『検証◎民主化モンゴルの現実』『徳王の見果てぬ夢―南北モンゴル統一独立運動』『脱南者が語るモンゴルの戦中戦後1930~1950年』『現代モンゴル読本』『コトバニキヲツケロ!現代日本語読本』『現代モンゴル読本増補改訂版』『こんな人たち』『ノモンハン戦記を読み解く』『政治言語の研究―日本人の思考様式と言語生活』刊行。「消される記憶遺産―モンゴル抑留吉村隊『暁に祈る』事件」で第7回石橋湛山平和賞を受賞。


2024年1月19日刊行
反理知時代のマインド・コントロール
佐々木健悦/著
定価=本体2500円+税 ISBN978-4-7845-2423-5 四六判並製256頁

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