|刊行情報| 私が学んできた経済学 ─新古典派理論から宇野理論へ─  関根友彦/著 亀﨑澄夫、岡本英男、櫻井毅/編

世界で最も知られている
日本のマルクス経済学者の論稿

人間の経済活動が地球環境を破壊し「脱資本主義」が叫ばれる現在、本書はその根底で動く現代資本主義分析にとって貴重な一冊です。

じつに半世紀前の1974年、著者は現代資本主義を「脱資本主義過程」として把握し論述しています。第一次世界大戦以後の世界経済はもはや資本主義という歴史社会を成立させるものではなく、別の経済システムに移行すべき「資本主義の解体期」とした論考は、いま捉え返すと画期的であり示唆に富むものでした。

著者は近代経済学とマルクス経済学・宇野理論を研究して欧米の経済学界でたいへん著名であり、宇野弘蔵著『経済原論』『経済政策論』の英訳者としても広く知られています。

その研究業績のほとんどが英文によるなか、本書は日本語で発表された論文・講演録および未発表の論稿を纏めています。


目次

第1部 研究遍歴とマルクス経済学の方法  ─資本の弁証法との関連で

第1章 私が迷い込んだ経済学 【講演録】
*研究遍歴
*なぜ宇野理論に固執するか
*経済学とイデオロギー
*脱資本主義過程における経済学
*結論

第2章 私の学んだ宇野理論

第3章 マルクス経済学の試練と再生

第4章 二〇世紀はヘーゲルとマルクスをどう超えたか ─資本の弁証法

第5章 知られざる宇野弘蔵の秘策 ─Elena Luisa Lange女史の「宇野弘蔵・批判」に寄せて

 

第2部 段階論・現状分析の研究

第6章 段階論とは何か ─宇野弘蔵の『経済政策論』から学ぶ

第7章 資本主義の「発展段階」とは何か ─段階論の方法

第8章 現代経済における脱資本主義化傾向

第9章 資本主義から次の歴史社会への過度期をどう見るか ─脱資本主義過程論の系譜


著者:関根友彦(せきねともひこ Thomas T.Sekine)
1933 年11月22日─2022年1月16日 一橋大学、 マギル大学(モントリオール)を経て国連本部統計局に勤務。サイモン・フレーザー大学(バンクーバー)助教授、ヨーク大学(トロント)教授。帰国後に一橋大学経済研究所客員研究員、 国際基督教大学客員教授、愛知学院大学教授。


2024年2月6日発売
私が学んできた経済学 ─新古典派理論から宇野理論へ
関根友彦/著  亀﨑澄夫、岡本英男、櫻井毅/編
定価=本体2600円+税 ISBN978-4-7845-2803-5   A5判上製312頁


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投稿者: 社会評論社 サイト

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