|刊行情報| 日韓会談研究のフロンティア ——「1965年体制」への多角的アプローチ 吉澤文寿/編著

1965年の日韓条約締結にいたる交渉過程について、韓国の議論をリードする7人の研究者が、先行研究を踏まえて多角的に迫る新たな論考集。

*『歴史認識から見た戦後日韓関係』(吉澤文寿編著 2019年 小社)姉妹編。

本書は、日韓諸条約締結に至る交渉過程及びそれに関連する課題について、先行研究を踏まえつつ、韓国の議論をリードする研究者から新進気鋭の若手研究者まで、その多角的アプローチによる研究成果を集めて、翻訳出版したものである。(本書「はじめに」より)

目次


はじめに   吉澤文寿

第一章 日韓関係の定立と反定立 ──ジョン・フォスター・ダレスの信念
金崇培

はじめに
一 外交経験の原点とヴェルサイユ平和条約
二 キリスト教精神と反共主義の結合
三 大韓民国とサンフランシスコ平和条約
韓国の国際的承認
サンフランシスコ平和条約の誕生
おわりに

第二章 日韓間歴史論争の構造化──戦後国際情勢の動向と対韓請求権主張論理の形成
金恩貞

はじめに
— 連合国の戦後認識
戦後処理の枠組
極東問題に関する米・ソの構想
二 米国の戦後アジア秩序構想の転換
アジア冷戦の顕在化と対日講和政策の緩和韓国の対日賠償請求論理の制約
三 日本の対韓請求権主張の論理
朝鮮植民地統治の正当化国際法的正当化の試み
四 歴史論争の構造化
法的論理の矛盾
日韓会談妥結と歴史攻防の棚上げ
おわりに

 

第三章 初期日韓会談における両国交渉戦略の再検討 一九五一―一九五三 ──予備会談から第三次会談の決裂まで
尹錫貞

はじめに
— 日韓会談の開催と日韓の交渉戦略
日韓予備会談の開催
第一次会談の決裂と日韓の論理
二 第二次日韓会談の開始過程と日本の休会提案
冷戦論理と韓国の対日説得
日本の休会提案と反李承晩認識
三 第三次日韓会談と漁業問題
日韓漁業問題と日本の対米外交
第三次日韓会談の決裂と日韓対立の激化
結論

第四章 日韓会談中断期における大村収容所問題に対する日本政府の対応
金鉉洙

はじめに
— 日韓会談中断期における大村収容所問題の浮上
二 大村収容所問題に対する日本政府の法律的検討と対応策
三 収容者の相互釈放問題の妥結、そして悪循環の繰り返し
おわりに

第五章 日韓会談における文化財返還交渉についての再検討
厳泰奉

はじめに
— 先行研究の検討及び研究方法
先行研究の検討研究方法
二 文化財返還関係会議の開催についての問題
日韓会議中断期の議論
文化財小委員会開催に関する議論専門家会議開催に関する議論
三 文化財リスト提出についての問題
四 返還と寄贈についての問題
おわりに

第六章 日韓大陸棚協定の外交史的考察と未解決課題──東アジア海洋ガバナンスの構築に向けて
朴昶建

はじめに
— 東アジア海洋ガバナンスの日韓大陸棚協定
二 日韓大陸棚協定の外交史的考察
歴史的背景
交渉過程の特徴
三 未解決課題として日韓大陸棚協定
結論

第七章 徴用問題の再照明──韓日会談、文書公開と立法処理、大法院の判決とその後
李元徳

はじめに
— 徴用判決の反響及び事態の深刻性
二 大法院判決に至るまでの歴史的経緯
三 ドイツの事例検討─戦後補償政策と国外強制動員被害者の対処
おわりに──どう解決するか


2021年9月3日刊
日韓会談研究のフロンティア —「1965年体制」への多角的アプローチ
吉澤文寿/編著
定価=本体2600円+税 ISBN978-4-7845-1590-5 四六判並製280頁


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投稿者: 社会評論社 サイト

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