【内容紹介】
高度成長期只中の1966年11月、山深い山形県西置賜郡白鷹町から20歳の本木勝利は仲間とともに出稼ぎに出た。行き先は川崎市北部の工事現場。前年に出稼ぎで買ったカメラを手に、過酷な仕事の合間を縫って劣悪な飯場とそこで生きる人々を活写した。そのスライドが時を経て発見されてDVDに復元され、半世紀にわたって国の政策に翻弄される農民とむらの変容を伝える映画になって大きな反響をもたらした。
「出稼ぎ」とはなんだったのか。本書は、映像にできなかった証言やその後に寄せられた資料、時代背景を纏め上げ、地方からの出稼ぎ労働が戦後の高度成長を支えた「出稼ぎの時代」を描き出す。
【目次】
第一章 出稼ぎと中卒養成工
第二章 女性と子どもたちの出稼ぎ
第三章 白鷹町青年団
第四章 田園都市線と村
第五章 出稼ぎを表現する
第六章 都市と地方の交流 その経緯と現在地
第七章 映画『出稼ぎの時代から』を撮って
資料
著者:本木勝利(モトキカツトシ)
『出稼ぎの時代から』編集委員会
(デカセギノジダイカラヘンシュウイインカイ)
A5判 並製 208頁
本体価格2000円+税
ISBN 978-4-7845-2430-3