|刊行情報| 清水邦夫の華麗なる劇世界 井上理惠/著 社会評論社刊 2020年8月発売

「一演劇人としての清水邦夫論」中野正昭氏評 週刊読書人 2020年10月2日付掲載されました

「木冬社で舞台化された清水戯曲は、可能な限りみた。そしていつも心豊かにしてくれた。ほとんど落胆したことはなかった。これは稀なことである。いつも松本典子のあの声とセリフと身体がなくては、清水邦夫の世界は完結しないような想いを抱かせた。それは清水戯曲の女性は、松本典子に宛ててかかれているからだ。こんな幸せな女優は他にいないだろう。」(著者)

久保栄が亡くなった1958年に、清水邦夫と福田善之がデビュー。久保栄や村山知義たちが切り開いた輝かしいリアリズム演劇の時代に反旗を翻す若い劇作家の登場であった。以後、半世紀にわたって展開された清水邦夫の劇世界をひも解いていく。


目次


はじめに

第一部 清水邦夫の登場

第一章 「署名人」から「狂人なおもて往生をとぐ ―昔 僕達は愛した―」へ

1 不条理な関係
2 詩的タイトル
3「狂人なおもて往生をとぐ」(三幕二場)

第二章 初期の戯曲 ―「署名人」「明日そこに花を挿そうよ」「逆光線ゲーム」「あの日たち」

1 「署名人」
2 「明日そこに花を挿そうよ」
3 「逆光線ゲーム」と「あの日たち」
おわりに

 

第二部 清水邦夫の戯曲〈愛〉の三部作

はじめに

第一章 「弟よ ――姉乙女から坂本龍馬への伝言」(一九九〇年)

第二章 「哄笑 ――智恵子、ゼームス坂病院にて」(一九九一年)

 

第三部 一幕物の劇世界を語る

共同研究の事

第一章 『署名人』から始まる清水戯曲の魅力について(一九五八年)

第二章 「エレジー ――父の夢は舞う――」(一九八三年)

1 共同研究「エレジー ――父の夢は舞う 〈父〉という存在」
2「エレジー ――父の夢は舞う――」井上理恵の演劇時評
3 木冬社の「エレジー」

第三章 『楽屋』の虚構性 ――その謎を解く(一九七七年)

第四章 「ぼくらは生まれ変わった木の葉のように」(一九七二年)

第五章 「昨日はもっと美しかった」とは何か(一九八二年)

第六章 「イエスタディ」(一九九六年)

1「イエスタディ」〈昨日〉に込められたもの
2 シアターχの「イエスタディ」木冬社公演の舞台
3 戦争描いた「イエスタディ」――清水邦夫の劇世界を探る

第七章 女優 松本典子
1 松本典子の死
2 「悪童日記」
3 松本典子の足跡
4 「女優N もう悲しみはないかもしれない」

おわりに

清水邦夫戯曲発表年・初演一覧

 

定価=本体2000円+税 ISBN978-4-7845-1150-1 四六判並製240頁
2020年8月刊 発売中


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投稿者: 社会評論社 特設サイト 目録準備室

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